以前お話ししたかもしれませんが、このMorris W-30は中学1年の時に親から買って貰った貴重なアコースティックギターです。当時アリス信者の私は学年のキャンプファイヤーで演奏したことを覚えています。
チャンピオン、冬の稲妻、今はもう誰も、終止符、ジョニーの子守歌・・・・・・TAB譜はほぼ全曲挑戦しました!
しかし当時は専門知識もなく、教えてくれる人も周りにいないので「バレーコードは気合だ」と血のにじむような練習をしていました。
今ではエレアコ等のテンションの弱いギターが出現し、そんなに苦労しなくてギターを弾く人も多いと思います。
今回はそんな弾きにくいアコースティックギターを引きやすくしよう!がテーマです。
友人と何で弾きにくいのかな~?と写真のように目を凝らしてナット、フレット、ブリッジを良く観察していました。
数曲弾くとバレーコードを抑える力が弱くなり、音がミュートしてしまうのです。
「やっぱり気合が足りないんだよ!」「安いギターだからしょうがないんだよ」「YAMAHAじゃなきゃダメだよ」と皆勝手な事を言い合っていました。
当時3万円クラスのアコースティックギターは初級の上位レベルです。3万になるとbodyの縁の装飾が貝になるので,これが選択の一つになるのです。
W-40以上のクラスになりますとバックが3ピース構造になったり、ヘッドのロゴが縦になったりと大きな変化がされていました。
当然値段の高い程使用される木材も厳選されており、調整もそれなりに手間が掛かっていると思います。
でも一番多く出回った3万円クラスは、それでいい音になったら上級機種が売れません。
その一つのpointはここです。
そうブリッジについているサドルなのです。
でも当時はどのように加工して良いのか分かりませんでした。
失敗したら3万円のギターが台無しになる・・・という事で、誰も挑戦しなかったので、一人二人とギターを断念する仲間がいました。
現在はこのようにR部分が精巧に加工されたものが、安く販売されているのでR形成を全てやらなくていいのです。
これが実際に調整したサドルです。
左から初期の装着品、角象牙を加工、象牙のR加工品、タスクです。
R加工品は底だけを平らに削っていくだけなので、コツさえつかめばだんだんと慣れてきます。
因みに象牙は硬くて加工が大変です。
ギリギリの仕上げをするには最低3本くらいは必要でしょう。
どのくらいまで削るとビビルというラインを把握しなければ、ギリギリまで責められません。
Point2としましてナットも交換しました。
サドル調整だけではバレーコードの問題は解決しなくて、テンションがペンペンになるだけなのです。
バレーを押さえたことのある方ならご理解いただけるでしょうが、とにかく1フレットのバレーがきついです。
それはナットの溝と1フレットのギャップが大きいからです。
ナットはタスク製を2個用意し削り落としながら決めていきました。
これで終了のようですが、そんなに簡単にはいきません。
実はサドルとナットだけでは改善しません。
仕上はpoint3のストリングスの選定です。
今回はライトゲージは全く使えず、ミディアムライトで「ヨシ!」となりました。
イメージとしましては大縄跳びで回すポイントを低くしたときにはぐっと引っ張る必要性があるという感じです。
以上W-30のテンション改善リペアでした。