点検修理は医療機関の診断業務

こんにちは!INDIANA-SOUNDS 大島です。台風が心配です。皆さん十分に気を付けましょう。

 

点検修理のご依頼時に故障個所だけ直してほしいという要望もありますが、今日のブログ内容のように簡単に直るものは殆どありません。不良になっている個所があり、その不良を作った要因がどこかに隠れ潜んでいるのです。不良部品を交換しても又すぐに壊れます。

 

この画像はENGL 530プリアンプの焼損事故です。残念ながらトランスが焼損していました。

このトランスは基板実装タイプなのでENGLへ修理依頼するしか入手方法はありません。

 

メーカー修理でいくらかかるのか分かりませんが、トランス焼損を引き起こした犯人も見つけ出さなければなりません。

 

この場合、部品単体での良不良判定は勿論、サーキット回路を読むことも大切で、これは人間の体と異なり、メーカーや機種により様々です。

 

お医者さんの診療と同じく総合的な血液検査、尿検査、心拍検査、目視検査のような、電圧、電流、シグナルテストが必要です。

このENGL530は全ての部品を検査した結果、真空管と電源回路の電解コンデンサーが犯人でした。被害者は電源トランスです。

 

一番の原因は真空管と思われますが、1Uラックという熱のこもりやすいBOXにプリント基板上に設置されたトランスも実は犯人の片割れだったかもしれません。

 

この場合メーカー修理に出しても同じ事故を起こさない絶対理由が見つからない為、トランス作成にいたりました。

勿論基板実装は避けたいのでシャーシ加工し1Uからトランスを露出させました。

その為1Uでは収まらないので2Uのスペースを必要としますが、熱対策には有効な改造になりました。ルックスは関係ないからENGL530を使えるようにして欲しいというリペアをお伝えしました。